大先輩の仕事の引継ぎが難しい!
38歳女性です。職場の先輩との関係性に悩んでいます。
仕事は営業職なのですが、新しい顧客を引き継ぐ時は 前任の先輩についてやり方を習う方式です。
私自身はパートでこの職について3年ほどで、勤務時間が短いために顧客数は少ないのですが、顧客とは特にトラブルになったことはありません。
顧客1人当たりの売り上げも目立って多いわけでも少ないわけでもなく、普通の成績だと思っています。
問題の先輩は、社内でもカリスマ視されているベテランの50歳女性で、話を聞いていると、顧客への気遣いやトークは真似のできない素晴らしさだと思い、その仕事ぶりは素直に尊敬しています。
その先輩の顧客を1人引き継ぐことになり、今までの方法を教えてもらったのですが、その時に自分のやり方を教えるようにして、私の仕事ぶりに相当ダメ出しをされました。
「なるほど」と思い直せる部分もあるのですが、私はその先輩のように有能ではありませんし、クレームがなく、それなりに売り上げも上がって顧客との関係性はできているので、自分の働き方としてはそれで良いと思っています。
ですが、先輩は自分の顧客を渡す以上、私に変わってほしいと思っているようです。
多分、このまま大きくやり方を変えずに引き継ぐと、先輩は私が彼女のアドバイスを聞かなかったと腹を立てると思います。
先輩の仕事ぶりは素晴らしいと思っていますが、先輩と同じ働き方はできないとも思っています。
今後、どうやって先輩と関わっていけばいいのか困っています。
「先輩の仕事ぶりは素直に素晴らしい」と思っていること、しかし「先輩のやり方をすべてを私には真似できない」ことを 先輩にうまく伝えるにはどうしたらいいでしょうか。
有能な先輩の引継ぎについて角を立てずに意見を伝えるには?
アドバイスの一部を自分に活かす
人はそれぞれ能力があり、考え方も違います。
それはあなたも知る所だと思いますが、先輩とあなたの問題は業績うんぬんでしたり、能力がどうということよりも「仕事に対する考え方」の違いが大いに関わってきます。
営業という性質上、先輩は誰よりも業績を上げるために努力を惜しまない方なのでしょう。常にどうしたらもっと上手くいくかを考えながら行動しています。
一方あなたは業績についてはそこまで必要としていません。業績はそこそこ、クレームもなく、顧客との関係性も良ければそれで良いという考え方です。
一見先輩の方が正しく見えるように感じますが、実はどちらも正解です。
大事なのは「一人一人の顧客にとって」あなたと先輩がどう見えるかだからです。
今回は先輩から直接顧客を引き継ぐということで、あなたは先輩について噂でしか知りえなかった部分を知る所となりました。
あなたも先輩もお互いに相手と自分のやり方の違いについて比べたことでしょう。
その結果 先輩はあなたも自分のやり方と同じようにして欲しいと感じ、あなたは先輩とは同じようにやれないと感じました。
先輩のやり方でもあなたのやり方でも、顧客にとって満足できるものなら問題はありません。
先輩の見方ではダメダメに見えるあなたのやり方も、引き継ぐ顧客にとっては問題ないことかもしれません。
営業というのはあくまで一人一人の顧客に合わせてやり方を変えるのであって、先輩に合わせてやり方を変えるべきではないのです。
先輩のやり方は先輩のやり方として敬意をもってきちんと聞き、顧客情報についてきちんと把握した上で 引き継いだ顧客にはあなた自身のやり方を貫いてみてはいかがでしょうか。
しかし、あなたもご自分で書いている通り 先輩のやり方は「大きくやり方を変えられない」でも「直せる部分もある」のなら、まずはその部分だけでも今すぐあなたのやり方に取り入れてみてください。
先輩は確かな業績を出し、その技術をあなたに教えてくれるのです。これを利用しない手はないでしょう。
そして、引き継ぐ予定の顧客にとっても先輩とあなたで変わらない部分があるのも安心すると思われます。
意見の伝え方に工夫をする
あなたは先輩のやり方をそのまま引き継がないと、先輩が気分を害して二人の関係性が悪くなることを恐れているということですが、実際そうなるとはまだ決まったわけではありません。
そして、あなたが先輩の気分を害したくないという理由は、先輩のことを尊敬しているからです。
何も先輩の嫌いだから先輩のやり方を無視したいわけではなく、先輩のやり方が先輩だからこそできるやり方であり、自分には自分ができる方法でやりたいというあなたの考えがあってのことです。
先輩との関係性を良いままにするためにはしっかり伝えないといけません。
例えば、次のうち聞いた方の印象が良くなるのはどちらかを考えてみましょう。
「頑張ったけど、ダメだった…」
「ダメだったけど、頑張った!」
後者の方が印象良く聞こえないでしょうか?
「良い情報」と「悪い情報」がある場合、人は後ろにおかれた情報に印象を左右されます。ですから、伝えにくいことは先にしましょう。
そして、情報には「なぜか」という理由をきちんと盛り込みましょう。
次に、謝罪とお礼です。
何かをしてもらえた時に、日本人は「すみません」という言葉がとっさにでてしまいますが、世界では当たり前に「ありがとう」ですし、実際ありがとうの方が当然印象に良いです。
また、言葉の言い換えも重要です。結婚式などにも良く使われますが、いい面と悪い面は言い換えられますし、同じ内容でも言葉選びいかんで印象が変わります。
最後に、否定と肯定です。
誰でも自分に関して「否定」的な言葉を投げかけられると気分を害します。とはいっても 否定しないといけないことも出てきます。
そんなときは、「否定」のあとに「肯定」を繋げることです。
あなたが先輩に伝えたいという内容は、そのまま書くと
しかし伝え方を工夫してみると
こういった印象の良い言い方にすると、先輩も気分が良く受け入れてくれるかと思います。
伝え方を工夫して 先輩と良い関係を築いていけるといいですね。