実話ホラー「ここから出してください」毎夜聞こえてくる声の正体は?


実話 ホラー私が高校生3年生の時の話です。家族はもう寝静まり、私は自分の部屋で受験勉強をしていました。

時計を見ると午前1時を回っていました。そろそろ寝ようと思い、トイレに行くために部屋のドアノブに手をかけた時のこと。

何の前触れもなく(ザワザワザワ…)と耳鳴りのような雑音がしだし、心臓をぎゅーっと掴まれているような感覚に襲われました。

私の父方の家系は霊感のある人が多く、私もその霊感を引き継いでいて 小さいころから不思議な体験はよくしてきたので、このときも「あ、何かいるな…」がすぐにわかりました。

そのまま部屋のドアを開けてみると、トイレに続く廊下の途中にある玄関から 嫌な空気が漂っているのがわかりました。

雑音や心臓を掴まれたような感覚はまだ続いていましたが、今までも経験したことがある程度の感覚からこれくらいなら大丈夫だろう…と、あまり気にしないようにしながら 玄関前を通りすぎようとしました。

実話 ホラー

実話 ホラーすると、いきなり「ガシッ!」と足首を掴まれたような感覚があり、私は無理矢理その場に留まらされてしまったのです。

霊感にも「視えるだけ」「視えないけど感じてわかる」「声だけが聞こえる」などいくつか種類があります。

私の場合は「視えないけど感じてわかる」「声が聞こえる」というタイプで、しかもただの浮遊霊ではなく この世に未練を残している、何らかの訴えたいことがある霊の存在だけがわかるというものでした。

なので、掴まれた感覚のある足首を見ても何も見えません。

ただ、ずっと続いていた雑音がだんだんと大きくなり、集まってきて、次第に人の声になり…その声が私に訴えました。

霊:ここから、出してください…

私は父方の家で数代続いているお寺の住職である祖父から こういう場合の対処法を教わっていました。

その方法で足首の感覚を振り切って、急いでトイレに行き そのまま部屋へ戻りました。

その日はそのまま何事もなく眠りについて朝を迎えたのですが、その日から毎晩玄関で足首を掴まれては

霊:ここから、出してください…

と、訴えかけられるようになりました。

しかし、そのたびにそれを振り切っていたので、そのうちあきらめて来なくなるだろう…と あまり気にすることなく過ごしていました。

実話 ホラー

実話 ホラーそんな状態が10日ほど続いた夜、いつものように受験勉強を終えてトイレに行こうと部屋のドアを開けると、いつもより空気が数段重いのを感じました。

いつもより雑音もひどく、一瞬でどっと冷や汗が出てくるのを感じました。

これは・・・今回はちょっとまずいかもしれないと思いながらも、いつものように玄関前を通ると…

ダァンッ!!!

いつもなら掴まれるだけの足首に ものすごい激痛が走り、今回はその足を引っ張られ 私は思いっきり床に倒されてしまったのです。

勢い余って肩を強打しましたが、それ以上に足首が痛い!!足がちぎれる!!と思うほどの激痛です。

ところが耳元に集まってきた雑音が人の声になったとき、恐ろしさから その痛みすらも感じなくなりました。

霊:ここから出せ……ここから出せ!!ここは私の家じゃない!!家族のもとに帰せ!!ここは嫌だ!!帰せ!!いやだぁぁ!!!ここから出せぇぇ!!!!

あまりの大きな叫び声に、こちらも叫ばなければおかしくなりそうなほどでした。

私が耳をふさぎながら「ギャーーーッ!」と叫んでいると、別室で寝ていた母が慌てて部屋から出てきました。

そして電気をつけたその時「いやぁぁぁー!!!足、足ぃーっ!!!」と母が大きな叫び声を上げ、ハッと我に返った私が自分の足を見てみると・・・足首に赤黒い手形がくっきりついていました。

実話 ホラー

実話 ホラーでもそのときの私にはそんなことを気にしている余裕なんてありませんでした。

未だ続く叫び声に叫び声で抵抗するのに必死でした。

泣き叫ぶような、悲しみと深い寂しさ、恋しさが混ざったような叫び声…
 

霊:いやだぁぁぁぁ!!!!!だせぇぇぇ!!!!家に帰せぇぇぇ!!!!!

思わずその声に答えてしまいそうになりましたが、

祖父:聞こえてきた声には絶対に答えてはいけない!

…と祖父から言われていたので、絶対に答えないように、必死に叫んで抵抗していました。

すると、突然別の声が聞こえてきました。

祖父:Y美 いい加減にしろ!!A子(私)に手を出すな!!移してやるからこっちに戻ってこい!!!

それは祖父の声でした。

その瞬間、気が狂いそうなほどの叫び声が止み、足首の激痛も嘘のようにすーっと消え去っていきました。

どうやら私が叫んでいる間に母が祖父に電話をしたようです。

祖父がお寺から私を襲っていたものに怒鳴りつけて助けてくれました。

実話 ホラー

実話 ホラーその時には足首の赤黒い手形も跡形もなく消え去っていましたが、転倒して強打した肩は腫れ上がってしまい、そのまま救急病院へ行くことになりました。

肩は脱臼していてその処置を受けている間にようやく頭が働きだし、助けてくれた祖父の言葉を思い返しました。

私:あれ…?Y美って… この間亡くなった親戚のおばさん…だよね?移してやるって、何…?

あの日を境に 玄関に嫌な気配を感じることもなくなり 何も起きなくなりましたが、祖父が叫んだ「Y美」のことが気になって仕方がありませんでした。

そこで後日、祖父に電話をして話を聞いてみました。

実は3か月前に亡くなった親戚のY美おばさんが 嫁ぎ先のお墓に入れられたのがどうしても嫌だったらしく「実家のお墓に自分を移してほしい」と何度も祖父のところに現れていたそうです。

Y美おばさんはそれにすぐに対処してくれなかった祖父にしびれをきらし、声を聞ける私のところに訴えかけてくるようになったのでした。

私が襲われた日から数日後に、祖父が亡くなったY美おばさんを実家のお墓に移したので、それ以来祖父のところにもY美おばさんは現れなくなったということです。